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『ワールズエンド・ガールフレンド』/荒川工 [小学館]
「ねえ、『ここが世界の果てなら』、って。そう考えたらいいと思う」。君の奇抜な提案に、俺はつい言葉に詰まる。「ねえ、そしたらその先は、誰もが初めて見る景色だから。誰も見たことないならさ、それは自分だけのものじゃない?」世界の果て、世界の終わりーー果てと終わりの向こうには未知が広がるーー君はそう言いたいのだろうか。主人公の少年・慎司。幼なじみの双子の姉妹、まひると真夜。それぞれに恋心を抱きながら育ち、三人が高校生になったある日、真夜は事故により記憶を失い、日常はゆるやかに崩壊をはじめる。(作品紹介より)
(感想)
完全に表紙買いだったのですが。久しぶりに心をわしづかみにされた上でガシガシと揺さぶられるような作品に出会いました。読み終えた今、まだ心臓がどくどくと早鐘を打っています。何とも言えない力をもった作品だなぁ、という印象です。プロローグに始まって、プロローグに帰って来たくなる物語でした。
本作は、3つの時間軸で物語が描かれます。一つは、事故により記憶を失った日月真夜と幼なじみの一二三慎司の物語。これがメインになります。二つ目がそれから数日前。日月真夜が事故に遭う前の物語。そして最後に、日月真夜と日月まひる、そして一二三慎司が小学生の頃の物語です。
次々に入れ替わる時間軸で翻弄されるように読み進めました。物語の核心は、真夜の失われた記憶を取り戻すことか事故の真相か、と予想を立てて読み進めますが、肝心なことはなかなか描かれずに謎は謎のママ。ただ、日月真夜と一二三慎司二人の関係。そして、周りの人物達の関係に興味が惹かれていきました。
ただ、読み進めるうちに核心に迫ってきて、この物語に隠された部分が見えてくることで、事件の真相が見えてきて。この辺、オチの部分についてはある程度予想が付くのではないだろうか、と思います。ただ、それがこの物語の重要な部分ではありませんので、がっかりしなくても良いです。この物語の重要な物語はラストに描かれる主人公達の決断にあると思います。
この展開の作品が過去なかったワケではないと思います。ただ、しかしまさかこっちの展開で来るとは思っていなかったために、ラスト部分で心を撃ち抜かれたような気がしました。確かに、この結末を外部から批判するのは簡単であると思います。しかし、自分がこの決断を迫られたとき。果たして私はどうするだろうか。そう考えたときに、私は簡単に批判できないと感じました。あまり多くを語るとネタバレになってしまいますが。物語を読み終えたとき、このタイトルの持つ意味の重さ。表紙のライトさに隠された重さを感じるようでした。
作品全体が淡々と描写されていることが、またこの作品のもつ重さというか、儚さというか。淡い印象をさらに引き立てていると思います。さらに挿絵。最近は見開きの挿絵も増えているのですが、この作品は全ての挿絵が見開き。この素朴なイラストが見事に作品世界を彩っていました。全ては、このラストを演出するために、という印象です。
何とも難しい作品だなぁ、と思います。決してライトではないな、と言う印象。いわゆるライトノベルを求めている人には向かない作品だと思います。しかし、時にはライトノベルっぽくない作品、変化球気味の作品を、と思っている方にはよいのではないかと感じました。解説の田中ロミオ氏が「ストーリー志向の作品だと言える」(P.305)とありますが、まさにそんな感じです。
(感想)
完全に表紙買いだったのですが。久しぶりに心をわしづかみにされた上でガシガシと揺さぶられるような作品に出会いました。読み終えた今、まだ心臓がどくどくと早鐘を打っています。何とも言えない力をもった作品だなぁ、という印象です。プロローグに始まって、プロローグに帰って来たくなる物語でした。
本作は、3つの時間軸で物語が描かれます。一つは、事故により記憶を失った日月真夜と幼なじみの一二三慎司の物語。これがメインになります。二つ目がそれから数日前。日月真夜が事故に遭う前の物語。そして最後に、日月真夜と日月まひる、そして一二三慎司が小学生の頃の物語です。
次々に入れ替わる時間軸で翻弄されるように読み進めました。物語の核心は、真夜の失われた記憶を取り戻すことか事故の真相か、と予想を立てて読み進めますが、肝心なことはなかなか描かれずに謎は謎のママ。ただ、日月真夜と一二三慎司二人の関係。そして、周りの人物達の関係に興味が惹かれていきました。
ただ、読み進めるうちに核心に迫ってきて、この物語に隠された部分が見えてくることで、事件の真相が見えてきて。この辺、オチの部分についてはある程度予想が付くのではないだろうか、と思います。ただ、それがこの物語の重要な部分ではありませんので、がっかりしなくても良いです。この物語の重要な物語はラストに描かれる主人公達の決断にあると思います。
この展開の作品が過去なかったワケではないと思います。ただ、しかしまさかこっちの展開で来るとは思っていなかったために、ラスト部分で心を撃ち抜かれたような気がしました。確かに、この結末を外部から批判するのは簡単であると思います。しかし、自分がこの決断を迫られたとき。果たして私はどうするだろうか。そう考えたときに、私は簡単に批判できないと感じました。あまり多くを語るとネタバレになってしまいますが。物語を読み終えたとき、このタイトルの持つ意味の重さ。表紙のライトさに隠された重さを感じるようでした。
作品全体が淡々と描写されていることが、またこの作品のもつ重さというか、儚さというか。淡い印象をさらに引き立てていると思います。さらに挿絵。最近は見開きの挿絵も増えているのですが、この作品は全ての挿絵が見開き。この素朴なイラストが見事に作品世界を彩っていました。全ては、このラストを演出するために、という印象です。
何とも難しい作品だなぁ、と思います。決してライトではないな、と言う印象。いわゆるライトノベルを求めている人には向かない作品だと思います。しかし、時にはライトノベルっぽくない作品、変化球気味の作品を、と思っている方にはよいのではないかと感じました。解説の田中ロミオ氏が「ストーリー志向の作品だと言える」(P.305)とありますが、まさにそんな感じです。
『あなたが踏むまで泣くのをやめない!!』/御影瑛路 [アスキー・メディアワークス]
(あらすじ)
ある日、クラスメイト(で可愛くて俺の女神でそして巨乳)のチョコちゃんに、一緒に部活動見学をして欲しいと誘われた。
なぜか我が家に居候し続けるドS幼女も連れて向かった先は『ポジティ部』。
ゴクリ……。
いやな予感しかしねぇ。
案の定、その部活はポジティブどころか、頭のネジが外れたネガティブなやつらの集まりで……。しかも『リア充耐性』をつける活動だとか言ってる。
残念系乙女名チョコちゃんのトラウマを克服するため、亭主関白系男子(パクメン)の俺が立ち上がる……!波瀾万丈の第2弾。(作品紹介より)
(感想)
御影瑛路さんの新作で、前作の『あなたが泣くまで踏むのをやめない!』の続編ですが、これまた凄いタイトルです。そして、このタイトルどおりの展開になるんだから、恐ろしいというかなんと言うか。
この作品の特徴ですが、「ハーレムもののように見えて、そこいらのハーレムものと一線を画す」ということにつきると思います。序盤はただただひたすらギャグ。作者の著作は『空ろの箱と零のマリア』しか読んでいませんが、こんなギャグも書けるんだなぁ、と驚くほど笑わせて貰いました。あまりに周りが残念だったり横暴だったりするので、主人公が一見まともに見える。そして、その主人公が目の前に突っ込む相手に対する突っ込みが的確でした。ただ、とうの主人公も一見まともに見えるだけで、その実はまともではないので、至る所で馬脚を現してしまう。この展開が非常にコミカルで楽しかったです。もう、わずかなシーンなのに圧倒的な印象を残すリョウあたりは、恐ろしいとしか言いようがありません。「ま、運がよければイラストが付くんじゃね?」(P.147)のある意味メタなネタも印象的でした。
でも、一番印象に残ったのは「青山サグ!」(P.364)です。もう、ロリコンの新しい呼び方、「青山サグ」でいいんじゃない?
ところが物語が後半に入ると、物語は一編。ひたすらシリアスな展開。ただただ正面から受け止めるにはあまりに大きすぎる展開が待ち受けているのが面白い、と感じました。そして、そのシリアスな部分に対する答えの出し方が、無茶苦茶でありながら、とにかく真摯であるかな、と私は感じました。まさか、「--それが、失敗だった」(P.287)というのが、その展開のことを指しているとは。完全に予想の上を行かれてしまったな、と驚くばかりでした。
ギャルゲーにせよハーレムものにせよ、誰かを選ぶと言うことは誰かを選ばないことであります。そして、相手との時間を重ねているからこそ、同じように大切に思っているからこそ、誰か一人を選ぶ、と言う事は心が引き裂かれるくらい大変なことではないか、と思います。相手が自分に対して、人並み以上の信頼を寄せている、と言う事が分かればなお。それを考えるにつけ、この巻の展開はある意味「正しい」と思うばかりでした。
第2章までの展開と第3章からの展開。これが全く別物のようであって、それが反発することなく一つの作品を形成している。1巻でも感じたことですが、このギャグとシリアスの融合と言うような展開が、この作品のすばらしさではないかと思います。私は、2章のラストからはもう目を離すことができませんでした。これは完全にやられた。面白かった。
そしてカオスな展開で終わりを迎えたこの巻。大切なキーワードになりそうな、会話の空白部分など気になるポイントがちりばめられていました。もう、続きが待ち遠しくて仕方がないです。あとがきの「まだ書きたい!だからみんな買ってね!」(P.369)という部分が気になります。きっと電撃なので3巻も出してくれると信じて、気長に待ちたいと思います。
去年の同時期は『レイヤード・サマー』がありましたが、今年も新年早々素晴らしい作品に巡り会えたなぁ。そんな感じです。
ある日、クラスメイト(で可愛くて俺の女神でそして巨乳)のチョコちゃんに、一緒に部活動見学をして欲しいと誘われた。
なぜか我が家に居候し続けるドS幼女も連れて向かった先は『ポジティ部』。
ゴクリ……。
いやな予感しかしねぇ。
案の定、その部活はポジティブどころか、頭のネジが外れたネガティブなやつらの集まりで……。しかも『リア充耐性』をつける活動だとか言ってる。
残念系乙女名チョコちゃんのトラウマを克服するため、亭主関白系男子(パクメン)の俺が立ち上がる……!波瀾万丈の第2弾。(作品紹介より)
(感想)
御影瑛路さんの新作で、前作の『あなたが泣くまで踏むのをやめない!』の続編ですが、これまた凄いタイトルです。そして、このタイトルどおりの展開になるんだから、恐ろしいというかなんと言うか。
この作品の特徴ですが、「ハーレムもののように見えて、そこいらのハーレムものと一線を画す」ということにつきると思います。序盤はただただひたすらギャグ。作者の著作は『空ろの箱と零のマリア』しか読んでいませんが、こんなギャグも書けるんだなぁ、と驚くほど笑わせて貰いました。あまりに周りが残念だったり横暴だったりするので、主人公が一見まともに見える。そして、その主人公が目の前に突っ込む相手に対する突っ込みが的確でした。ただ、とうの主人公も一見まともに見えるだけで、その実はまともではないので、至る所で馬脚を現してしまう。この展開が非常にコミカルで楽しかったです。もう、わずかなシーンなのに圧倒的な印象を残すリョウあたりは、恐ろしいとしか言いようがありません。「ま、運がよければイラストが付くんじゃね?」(P.147)のある意味メタなネタも印象的でした。
でも、一番印象に残ったのは「青山サグ!」(P.364)です。もう、ロリコンの新しい呼び方、「青山サグ」でいいんじゃない?
ところが物語が後半に入ると、物語は一編。ひたすらシリアスな展開。ただただ正面から受け止めるにはあまりに大きすぎる展開が待ち受けているのが面白い、と感じました。そして、そのシリアスな部分に対する答えの出し方が、無茶苦茶でありながら、とにかく真摯であるかな、と私は感じました。まさか、「--それが、失敗だった」(P.287)というのが、その展開のことを指しているとは。完全に予想の上を行かれてしまったな、と驚くばかりでした。
ギャルゲーにせよハーレムものにせよ、誰かを選ぶと言うことは誰かを選ばないことであります。そして、相手との時間を重ねているからこそ、同じように大切に思っているからこそ、誰か一人を選ぶ、と言う事は心が引き裂かれるくらい大変なことではないか、と思います。相手が自分に対して、人並み以上の信頼を寄せている、と言う事が分かればなお。それを考えるにつけ、この巻の展開はある意味「正しい」と思うばかりでした。
第2章までの展開と第3章からの展開。これが全く別物のようであって、それが反発することなく一つの作品を形成している。1巻でも感じたことですが、このギャグとシリアスの融合と言うような展開が、この作品のすばらしさではないかと思います。私は、2章のラストからはもう目を離すことができませんでした。これは完全にやられた。面白かった。
そしてカオスな展開で終わりを迎えたこの巻。大切なキーワードになりそうな、会話の空白部分など気になるポイントがちりばめられていました。もう、続きが待ち遠しくて仕方がないです。あとがきの「まだ書きたい!だからみんな買ってね!」(P.369)という部分が気になります。きっと電撃なので3巻も出してくれると信じて、気長に待ちたいと思います。
去年の同時期は『レイヤード・サマー』がありましたが、今年も新年早々素晴らしい作品に巡り会えたなぁ。そんな感じです。
2011年、このライトノベルが面白かったベスト10 [このラノ]
ライトノベルの感想ブログ、なんてやっておりますので、2011年のまとめをば。
2011年に私が読んだライトノベルは124冊でした。その中から、これは面白かったかなぁ?と印象に残った作品をトップ10形式でお送りします。決め方としては、
① 124冊のタイトルから、「これは面白かったかな?」「これは良かったな?」と思う作品をノミネート
② その中からトップ10を選出
と言う感じです。深く考えずに、割と直感で決めています。
やはりトップ10は難しいです。正直、下の方はこれで良いのかなぁ、と言う感じがしております。その辺は、個人の好み、と言う事でお願いします。
私がこのランキングを考えるときに意識した言葉は、「リーダビリティー」と言う事でした。普段ライトノベルばかり読んでいる私ですが、2011年は縁あって、大衆小説を読む機会も増えました。大衆小説の面白さを改めて実感する、と感じた1年間でありました。
特に、賞を取った作品を何冊か読んだわけですが、その時にキーワードになっているな、と感じたのが「リーダビリティー」でした。いわゆる「読みやすさ」ということですが、個人的には「読者を作品に惹き付ける力」という感じで使われている、と言う印象。私個人は、そんな感じで使いたいと思います。
活字離れが言われるようになった現代。如何に本を読んで貰うか、と言う事が課題になっているのかな、と言う事で、その作品を読ませる力、という感じで「リーダビリティー」のある作品が注目され、賞を受賞する際の指標になっているのではないか、と感じた次第です。
結果、特にミステリという分野において、文体がライトノベルの持つ軽さに近づいているのが、興味深いなぁ、と感じた次第ですが。有川浩さんの大活躍に代表される、ライトノベル出身作家が書く大衆小説が増え、『ビブリア古書堂』シリーズが注目されるのを見るに付け、ライトノベルの読みやすさがクローズアップされているのかな、と感じる次第です。
まぁ、読書家からしたら「それだけ普通の人が本を読まなくなった」と言うのかも知れませんけども。
さて、細かい感想はそれぞれ書きたいと思います。それでは、10位から。
10位 『花咲けるエリアルフォース』/杉井光
正直、この作品に関しては難しい。入れるか入れないか正直悩んだのですが。とにかく、文章は割と淡々と事実を積み重ねる感じで描かれていて、戦争という物語を描くにしては悲壮さが伝わりにくいような気もしました。しかし、その紡がれる物語の儚さ、そして美しさ。この2点において、私には心惹かれる物語でした。まぁ、そう思わない人が多くても仕方ないかな、と思う作品ではあります。
そういえば、2巻も出るような告知があったけど、未だに出ないのはやっぱりどう続けるか、と言う事なのかな、と。
9位『踊る星降るレネシクル 4』/裕時悠示
これまた完全に趣味の作品ですね。同作者ですと、今年から始まった『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』、略して「俺修羅」が注目されていますが、いやいや個人的にはこっちの方が熱い!(この記事を書いている時点で、「俺修羅」の方はまだ4巻を読めていませんが)熱い厨二病展開も素敵ですが、個人的にはその周りを彩るサブキャラが魅力的だと思います。更級もうふとかw
「俺修羅」が人気ですぎて、アニメ化も視野に入れた展開をしているために、2011年はこっちの作品がお留守になってしまった感じですが。とにかく、凄いところで続きの展開になっているので、早く続きを読みたい!と思っている作品の一つです。
完全に余談ですが、『蒼穹のカルマ』も、アニメ化決定の『デート・ア・ライブ』の影響で間が開いているのが悲しい(ノД`)
8位『カナクのキセキ 1・2・3』
去年のファンタジア大賞受賞作。この作品に関しては、とにかく「純愛」。この一言に尽きると思います。今のライトノベルの流行と言えば、「学園」「異能」「ハーレム」という感じになってくると思います。その中にあって、あえて「純愛」をテーマに選んだ点が素晴らしいと思います。現在3冊が刊行されていますが、それぞれの作品でそれぞれの「純愛」の形を描いているのが素晴らしいです。
正直、展開に関しては先が読めてしまう、という面はあります。ただ、それでも心打たれてしまう、というのは凄いなぁ、と。一体どんなキセキが待っているのか、続きが気になる作品です。
7位『れでぃ×ばと 12』/上月司
これまた完全に趣味です。正直、この作品に関しては11巻で「日野秋晴を嫌いなまま好きになっている」(うろ覚え)という台詞が描かれた時点で完全にノックアウトされました。もう少し短かったら良かったのになぁ、と思う面もありますが、ここまでついてきて本当に良かった、と言う展開になっていると思います。いよいよ、物語はクライマックス。3月発売予定の13巻で完結!一体どんな結末を見せるか、期待せざるを得ないです。
どっちつかずのエンドだけは避けて欲しいなぁ……。
6位『涼宮ハルヒの驚愕 上・下』/谷川流

遂に待ちに待った「驚愕」発売。今年はこれにつきるかな、と。売り上げの面でも、話題になりましたし、ハルヒの力は健在だった、と言うところでしょうか。
SOS団の5人も2年生に進級しての物語。二つのパートがどう折り重なるか、他の谷川流作品未経験だった私にはなかなか興味深い重なり方をしてくれました。個人的には、待たされた甲斐があった、と言えるような内容でした。これを読んで、「やはりハルヒは面白いわ」と感じた次第です。
ある意味、キョンが改めて自分の中のハルヒという存在の大きさを再確認する、という感じで、物語は終盤に向かう感じかな?続きは間が開かないで欲しいなぁ、と思ってはいますが、未だ新刊情報なし、と言うのが気になるところですw
5位『灼眼のシャナ 22』
10年続いた、電撃の一時代を支えた『灼眼のシャナ』がいよいよ完結。客観的に見ると、文章の読みにくさ。独特の厨二病感あふれる語り口。マイナス面も多い作品でした。「7巻まで読めば」と言われるのを見たことがありますが、そんな感じの作品。私も、ここまでくるのに数年かけて、という感じでした。
そんな『灼眼のシャナ』ですが、アニメシリーズ3期の内容となる16巻からは、圧倒的に面白く、惹かれる内容になっていきました。そして、遂に迎えた最終刊。最終決戦。とにかく、ここまで読んできた読者が「あぁ、読み続けて本当に良かった」と思えるようなラストになってくれたと思います。今までのシリーズで描かれてきた因縁が(たぶん)全て解消され、悠二とシャナの結末も最高のものとなったと思います。とにかく、最初からクライマックス状態でしたね。
ここで終わってしまうのが悲しい気もしますが、それ以上に綺麗に終わってくれたことを感謝です。
4位『とある飛空士への恋歌 5』『とある飛空士への夜想曲 上・下』/犬村小六
どっちも非常に素晴らしかったので、もう「シリーズ」と言う事でまとめちゃいましたw
映画の方は、もはやノーコメント、と言った感じですが、原作の方はとにかく熱かったです。『とある飛空士への恋歌』はいよいよ完結。5巻というコンパクトな冊数で非常に美しい物語が紡がれたと思います。始めは親の敵として出会った二人。その二人が惹かれ、苦しみ、別れを経て。カルエルが選んだラストが、とにかく美しかったです。ラストシーンは非常に映像的で印象的。ここから先の幸せ、と言うものを思わず想像したくなるようでした。
そして、それに隠れたアリエルの悲恋もまた印象的。「歌えなかった恋の歌もある」(うろ覚え)の一文が胸をつくようでした。
そして、『とある飛空士への追憶』でライバルとして登場した、千々石の物語として描かれた『とある飛空士への夜想曲』。これがまた圧巻でした。とにかく、物語を覆うのは、いわゆる「ライトノベル」らしからぬ重厚さ。圧倒的に不利な中、自分たちの子ども達のために、と戦い続ける悲壮さが胸を締め付けるようでした。それでいて、ラストの3度目のシャルルとの空戦場面は、熱血の展開が良かったですね。絶望的な中見せた千々石の輝きが心に残る一作でした。
正直、『とある飛空士への追憶』含め、このシリーズはライトノベルの名作として残るんじゃないかな?と思うほどでした。
3位『灼熱の小早川さん』
まずはじめに。私は『AURA』を読んでいないことを御了承ください。
とにかく、考えさせられる作品でしたね。学校という舞台にして、群集心理の恐ろしさと、それに立ち向かう主人公達の物語、と言えば良いでしょうか。爽快さはなく、思い雰囲気で進む作品ですが、その内容故に惹かれました。
ラストの展開に関しては、ページ数の不足、という感じで駆け足感を感じましたが、挫折、復活の展開もうまく、非常に良かったです。
まぁ、正直3位と4位が逆でも良いかな?と思ったりもしますがw
2位『全滅なう』/十文字青
個人的には、「どうしてこの作品が売れないの?」と思う作品。青臭さや主人公の暴走感の影響かな、とか、やっぱりレーベルがなぁ、とか思ったりしましたが。本当に、多くに人に読んで欲しい作品。
はじめて生まれた恋心。その息苦しさ、焦がれる感じ。それが非常にうまく描かれている作品だったと思います。「全滅因子」なんてライトノベル的な要素もあるのですが、それはあくまでもエッセンスとして使われているなぁ、と言う印象。とにかく、ぐんぐん引き込まれて、一気に読んでしまいました。これ、本当に多くの人に読んで貰いたいのですが、あんまり売れてナイっぽいのが残念な作品です。個人的には2011年でトップクラスに引き込まれた作品です。
1位『レイヤード・サマー』/上月司
正直、1位と2位は完全に私の中で決まっていて、どっちを上にしようか非常に悩んだのですが。結果的にこんな順位になりました。2011年、この作品に出会えて本当に良かった、と思える作品でした。この作品に、2011年始まった時に出会えたことがとにかく幸せでした。
作品に惹き付ける力としての「リーダビリティー」としては、とにかく圧倒的だったと思います。私は序盤のわずか3ページ?のプロローグ。これを読んだ瞬間、私はこの作品を読むのをやめることができなくなってしまいました。ライトノベルとしては415ページと、若干厚めですがそれを一気に読ませる力がありました。ラストは、悲恋で終わるので、後味の悪さを感じる方もいると思いますが、私としてはありだと思いました。永遠に一緒にいることはできないけども、二人で一緒にいた、大切な時間の思い出がある。そんな幸せの形もあるんじゃないかな、と。切ないけども、心に残るような物語でした。
こうしてラインナップしてみると、完全に個人の好みのランキング、という感じですね。とはいえ、個人的には2011年は大衆小説の分野でもライトノベルの分野でも豊作だったなぁ、と感じる年でした。これから大切にして行きたい、と思える作品にたくさん出会えて、本当に幸せな年でした。
2012年は、少し本を読む量を抑える予定で、このようなランキング記事が書けるかどうか怪しいところですが。それでも、大切にしたい、と思える作品により多く出会えることを祈りたいと思います。
2011年に私が読んだライトノベルは124冊でした。その中から、これは面白かったかなぁ?と印象に残った作品をトップ10形式でお送りします。決め方としては、
① 124冊のタイトルから、「これは面白かったかな?」「これは良かったな?」と思う作品をノミネート
② その中からトップ10を選出
と言う感じです。深く考えずに、割と直感で決めています。
やはりトップ10は難しいです。正直、下の方はこれで良いのかなぁ、と言う感じがしております。その辺は、個人の好み、と言う事でお願いします。
私がこのランキングを考えるときに意識した言葉は、「リーダビリティー」と言う事でした。普段ライトノベルばかり読んでいる私ですが、2011年は縁あって、大衆小説を読む機会も増えました。大衆小説の面白さを改めて実感する、と感じた1年間でありました。
特に、賞を取った作品を何冊か読んだわけですが、その時にキーワードになっているな、と感じたのが「リーダビリティー」でした。いわゆる「読みやすさ」ということですが、個人的には「読者を作品に惹き付ける力」という感じで使われている、と言う印象。私個人は、そんな感じで使いたいと思います。
活字離れが言われるようになった現代。如何に本を読んで貰うか、と言う事が課題になっているのかな、と言う事で、その作品を読ませる力、という感じで「リーダビリティー」のある作品が注目され、賞を受賞する際の指標になっているのではないか、と感じた次第です。
結果、特にミステリという分野において、文体がライトノベルの持つ軽さに近づいているのが、興味深いなぁ、と感じた次第ですが。有川浩さんの大活躍に代表される、ライトノベル出身作家が書く大衆小説が増え、『ビブリア古書堂』シリーズが注目されるのを見るに付け、ライトノベルの読みやすさがクローズアップされているのかな、と感じる次第です。
まぁ、読書家からしたら「それだけ普通の人が本を読まなくなった」と言うのかも知れませんけども。
さて、細かい感想はそれぞれ書きたいと思います。それでは、10位から。
10位 『花咲けるエリアルフォース』/杉井光
正直、この作品に関しては難しい。入れるか入れないか正直悩んだのですが。とにかく、文章は割と淡々と事実を積み重ねる感じで描かれていて、戦争という物語を描くにしては悲壮さが伝わりにくいような気もしました。しかし、その紡がれる物語の儚さ、そして美しさ。この2点において、私には心惹かれる物語でした。まぁ、そう思わない人が多くても仕方ないかな、と思う作品ではあります。
そういえば、2巻も出るような告知があったけど、未だに出ないのはやっぱりどう続けるか、と言う事なのかな、と。
9位『踊る星降るレネシクル 4』/裕時悠示
これまた完全に趣味の作品ですね。同作者ですと、今年から始まった『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』、略して「俺修羅」が注目されていますが、いやいや個人的にはこっちの方が熱い!(この記事を書いている時点で、「俺修羅」の方はまだ4巻を読めていませんが)熱い厨二病展開も素敵ですが、個人的にはその周りを彩るサブキャラが魅力的だと思います。更級もうふとかw
「俺修羅」が人気ですぎて、アニメ化も視野に入れた展開をしているために、2011年はこっちの作品がお留守になってしまった感じですが。とにかく、凄いところで続きの展開になっているので、早く続きを読みたい!と思っている作品の一つです。
完全に余談ですが、『蒼穹のカルマ』も、アニメ化決定の『デート・ア・ライブ』の影響で間が開いているのが悲しい(ノД`)
8位『カナクのキセキ 1・2・3』
去年のファンタジア大賞受賞作。この作品に関しては、とにかく「純愛」。この一言に尽きると思います。今のライトノベルの流行と言えば、「学園」「異能」「ハーレム」という感じになってくると思います。その中にあって、あえて「純愛」をテーマに選んだ点が素晴らしいと思います。現在3冊が刊行されていますが、それぞれの作品でそれぞれの「純愛」の形を描いているのが素晴らしいです。
正直、展開に関しては先が読めてしまう、という面はあります。ただ、それでも心打たれてしまう、というのは凄いなぁ、と。一体どんなキセキが待っているのか、続きが気になる作品です。
7位『れでぃ×ばと 12』/上月司
これまた完全に趣味です。正直、この作品に関しては11巻で「日野秋晴を嫌いなまま好きになっている」(うろ覚え)という台詞が描かれた時点で完全にノックアウトされました。もう少し短かったら良かったのになぁ、と思う面もありますが、ここまでついてきて本当に良かった、と言う展開になっていると思います。いよいよ、物語はクライマックス。3月発売予定の13巻で完結!一体どんな結末を見せるか、期待せざるを得ないです。
どっちつかずのエンドだけは避けて欲しいなぁ……。
6位『涼宮ハルヒの驚愕 上・下』/谷川流

涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川 流
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 文庫
遂に待ちに待った「驚愕」発売。今年はこれにつきるかな、と。売り上げの面でも、話題になりましたし、ハルヒの力は健在だった、と言うところでしょうか。
SOS団の5人も2年生に進級しての物語。二つのパートがどう折り重なるか、他の谷川流作品未経験だった私にはなかなか興味深い重なり方をしてくれました。個人的には、待たされた甲斐があった、と言えるような内容でした。これを読んで、「やはりハルヒは面白いわ」と感じた次第です。
ある意味、キョンが改めて自分の中のハルヒという存在の大きさを再確認する、という感じで、物語は終盤に向かう感じかな?続きは間が開かないで欲しいなぁ、と思ってはいますが、未だ新刊情報なし、と言うのが気になるところですw
5位『灼眼のシャナ 22』
10年続いた、電撃の一時代を支えた『灼眼のシャナ』がいよいよ完結。客観的に見ると、文章の読みにくさ。独特の厨二病感あふれる語り口。マイナス面も多い作品でした。「7巻まで読めば」と言われるのを見たことがありますが、そんな感じの作品。私も、ここまでくるのに数年かけて、という感じでした。
そんな『灼眼のシャナ』ですが、アニメシリーズ3期の内容となる16巻からは、圧倒的に面白く、惹かれる内容になっていきました。そして、遂に迎えた最終刊。最終決戦。とにかく、ここまで読んできた読者が「あぁ、読み続けて本当に良かった」と思えるようなラストになってくれたと思います。今までのシリーズで描かれてきた因縁が(たぶん)全て解消され、悠二とシャナの結末も最高のものとなったと思います。とにかく、最初からクライマックス状態でしたね。
ここで終わってしまうのが悲しい気もしますが、それ以上に綺麗に終わってくれたことを感謝です。
4位『とある飛空士への恋歌 5』『とある飛空士への夜想曲 上・下』/犬村小六
どっちも非常に素晴らしかったので、もう「シリーズ」と言う事でまとめちゃいましたw
映画の方は、もはやノーコメント、と言った感じですが、原作の方はとにかく熱かったです。『とある飛空士への恋歌』はいよいよ完結。5巻というコンパクトな冊数で非常に美しい物語が紡がれたと思います。始めは親の敵として出会った二人。その二人が惹かれ、苦しみ、別れを経て。カルエルが選んだラストが、とにかく美しかったです。ラストシーンは非常に映像的で印象的。ここから先の幸せ、と言うものを思わず想像したくなるようでした。
そして、それに隠れたアリエルの悲恋もまた印象的。「歌えなかった恋の歌もある」(うろ覚え)の一文が胸をつくようでした。
そして、『とある飛空士への追憶』でライバルとして登場した、千々石の物語として描かれた『とある飛空士への夜想曲』。これがまた圧巻でした。とにかく、物語を覆うのは、いわゆる「ライトノベル」らしからぬ重厚さ。圧倒的に不利な中、自分たちの子ども達のために、と戦い続ける悲壮さが胸を締め付けるようでした。それでいて、ラストの3度目のシャルルとの空戦場面は、熱血の展開が良かったですね。絶望的な中見せた千々石の輝きが心に残る一作でした。
正直、『とある飛空士への追憶』含め、このシリーズはライトノベルの名作として残るんじゃないかな?と思うほどでした。
3位『灼熱の小早川さん』
まずはじめに。私は『AURA』を読んでいないことを御了承ください。
とにかく、考えさせられる作品でしたね。学校という舞台にして、群集心理の恐ろしさと、それに立ち向かう主人公達の物語、と言えば良いでしょうか。爽快さはなく、思い雰囲気で進む作品ですが、その内容故に惹かれました。
ラストの展開に関しては、ページ数の不足、という感じで駆け足感を感じましたが、挫折、復活の展開もうまく、非常に良かったです。
まぁ、正直3位と4位が逆でも良いかな?と思ったりもしますがw
2位『全滅なう』/十文字青
個人的には、「どうしてこの作品が売れないの?」と思う作品。青臭さや主人公の暴走感の影響かな、とか、やっぱりレーベルがなぁ、とか思ったりしましたが。本当に、多くに人に読んで欲しい作品。
はじめて生まれた恋心。その息苦しさ、焦がれる感じ。それが非常にうまく描かれている作品だったと思います。「全滅因子」なんてライトノベル的な要素もあるのですが、それはあくまでもエッセンスとして使われているなぁ、と言う印象。とにかく、ぐんぐん引き込まれて、一気に読んでしまいました。これ、本当に多くの人に読んで貰いたいのですが、あんまり売れてナイっぽいのが残念な作品です。個人的には2011年でトップクラスに引き込まれた作品です。
1位『レイヤード・サマー』/上月司
正直、1位と2位は完全に私の中で決まっていて、どっちを上にしようか非常に悩んだのですが。結果的にこんな順位になりました。2011年、この作品に出会えて本当に良かった、と思える作品でした。この作品に、2011年始まった時に出会えたことがとにかく幸せでした。
作品に惹き付ける力としての「リーダビリティー」としては、とにかく圧倒的だったと思います。私は序盤のわずか3ページ?のプロローグ。これを読んだ瞬間、私はこの作品を読むのをやめることができなくなってしまいました。ライトノベルとしては415ページと、若干厚めですがそれを一気に読ませる力がありました。ラストは、悲恋で終わるので、後味の悪さを感じる方もいると思いますが、私としてはありだと思いました。永遠に一緒にいることはできないけども、二人で一緒にいた、大切な時間の思い出がある。そんな幸せの形もあるんじゃないかな、と。切ないけども、心に残るような物語でした。
こうしてラインナップしてみると、完全に個人の好みのランキング、という感じですね。とはいえ、個人的には2011年は大衆小説の分野でもライトノベルの分野でも豊作だったなぁ、と感じる年でした。これから大切にして行きたい、と思える作品にたくさん出会えて、本当に幸せな年でした。
2012年は、少し本を読む量を抑える予定で、このようなランキング記事が書けるかどうか怪しいところですが。それでも、大切にしたい、と思える作品により多く出会えることを祈りたいと思います。
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