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『あなたが踏むまで泣くのをやめない!!』/御影瑛路 [アスキー・メディアワークス]

(あらすじ)
ある日、クラスメイト(で可愛くて俺の女神でそして巨乳)のチョコちゃんに、一緒に部活動見学をして欲しいと誘われた。
なぜか我が家に居候し続けるドS幼女も連れて向かった先は『ポジティ部』。
ゴクリ……。
いやな予感しかしねぇ。
案の定、その部活はポジティブどころか、頭のネジが外れたネガティブなやつらの集まりで……。しかも『リア充耐性』をつける活動だとか言ってる。
残念系乙女名チョコちゃんのトラウマを克服するため、亭主関白系男子(パクメン)の俺が立ち上がる……!波瀾万丈の第2弾。(作品紹介より)

(感想)
御影瑛路さんの新作で、前作の『あなたが泣くまで踏むのをやめない!』の続編ですが、これまた凄いタイトルです。そして、このタイトルどおりの展開になるんだから、恐ろしいというかなんと言うか。

この作品の特徴ですが、「ハーレムもののように見えて、そこいらのハーレムものと一線を画す」ということにつきると思います。序盤はただただひたすらギャグ。作者の著作は『空ろの箱と零のマリア』しか読んでいませんが、こんなギャグも書けるんだなぁ、と驚くほど笑わせて貰いました。あまりに周りが残念だったり横暴だったりするので、主人公が一見まともに見える。そして、その主人公が目の前に突っ込む相手に対する突っ込みが的確でした。ただ、とうの主人公も一見まともに見えるだけで、その実はまともではないので、至る所で馬脚を現してしまう。この展開が非常にコミカルで楽しかったです。もう、わずかなシーンなのに圧倒的な印象を残すリョウあたりは、恐ろしいとしか言いようがありません。「ま、運がよければイラストが付くんじゃね?」(P.147)のある意味メタなネタも印象的でした。

でも、一番印象に残ったのは「青山サグ!」(P.364)です。もう、ロリコンの新しい呼び方、「青山サグ」でいいんじゃない?

ところが物語が後半に入ると、物語は一編。ひたすらシリアスな展開。ただただ正面から受け止めるにはあまりに大きすぎる展開が待ち受けているのが面白い、と感じました。そして、そのシリアスな部分に対する答えの出し方が、無茶苦茶でありながら、とにかく真摯であるかな、と私は感じました。まさか、「--それが、失敗だった」(P.287)というのが、その展開のことを指しているとは。完全に予想の上を行かれてしまったな、と驚くばかりでした。

ギャルゲーにせよハーレムものにせよ、誰かを選ぶと言うことは誰かを選ばないことであります。そして、相手との時間を重ねているからこそ、同じように大切に思っているからこそ、誰か一人を選ぶ、と言う事は心が引き裂かれるくらい大変なことではないか、と思います。相手が自分に対して、人並み以上の信頼を寄せている、と言う事が分かればなお。それを考えるにつけ、この巻の展開はある意味「正しい」と思うばかりでした。

第2章までの展開と第3章からの展開。これが全く別物のようであって、それが反発することなく一つの作品を形成している。1巻でも感じたことですが、このギャグとシリアスの融合と言うような展開が、この作品のすばらしさではないかと思います。私は、2章のラストからはもう目を離すことができませんでした。これは完全にやられた。面白かった。

そしてカオスな展開で終わりを迎えたこの巻。大切なキーワードになりそうな、会話の空白部分など気になるポイントがちりばめられていました。もう、続きが待ち遠しくて仕方がないです。あとがきの「まだ書きたい!だからみんな買ってね!」(P.369)という部分が気になります。きっと電撃なので3巻も出してくれると信じて、気長に待ちたいと思います。

去年の同時期は『レイヤード・サマー』がありましたが、今年も新年早々素晴らしい作品に巡り会えたなぁ。そんな感じです。


あなたが踏むまで泣くのをやめない!! (電撃文庫 み)

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