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『空ろの箱と零のマリア 5』/御影瑛路 [アスキー・メディアワークス]

(あらすじ)

敵同士となった醍哉と一輝。二人の“箱”
使い、その勝者は──。

 醍哉が手にした箱は“罪と罰と罪の影”。
 人々の罪を可視化、それを取り込むことによって対象を傀儡化するその“箱”を使い、彼は人間を『選別』していく。自身の信念に基づいて。
 醍哉を“敵”とみなす一輝は、彼を止めるため、箱“願い潰しの銀幕”を使い、醍哉を封じ込める。
 “箱”VS“箱”。そして衝突する二人。果たして勝者は──?

空ろの箱と零のマリア〈5〉 (電撃文庫)

空ろの箱と零のマリア〈5〉 (電撃文庫)

 

感想は追記にて

(感想)

4巻が発売されたのが、2010年6月。その間に、『あなたが泣くまで踏むのをやめない』、『あなたが踏むまで泣くのをやめない』の2冊が発売されましたが、ついに待ちに待った『空ろの箱と零のマリア』シリーズ最新作が発売されました。もう、この日を待ち続けたと行っても過言ではないでしょうし、待ち望んだラノベファンも多いのではないかと思います。

今回の箱は二つ登場。自分がその罪を抱え込んでしまうことになるが、その罪につけいり相手を操作できるようになる「罪と罰と罪の影」。こちらは、なんと言うか。『デスノート』の月を彷彿させるような印象でした。やっている方向性が同じ、という感じで。

そしてもう一つ。「罪と罰と罪の影」を醍哉から放棄させることだけを目的とした、「願い潰しの銀幕」。こちらは、映画の上映という形で、醍哉の知らなかった事実を提示し、彼の精神を揺さぶるというものです。

これまでは、立ちふさがる箱に対して、主人公である星野一輝とヒロインの音無麻理亜が立ち向かって箱を破壊していく、と言う物語でした。しかしこの巻はこれまでと変わって、箱対箱、という様相に物語は変化していました。世界を変えるために箱を手にした大嶺醍哉は、自分の願いの最大の的である星野一輝と対峙し。一方の星野一輝も、醍哉に箱を放棄させるための手段を講じ。お互いの思いをかけた対決がこの巻の見所。

しかし、対決といってもいわゆるバトルではなく、あくまでも心理戦。シリーズおなじみの展開ですが、この巻でも読み応えは十分でした。と言うか、お互いに絶対に譲れない対決のために、今まで以上にえぐい展開だったように思います。「願い潰しの銀幕」なんて、映画上映という形を取っていますが、強制的に相手のトラウマをえぐりつつ、知らなければ傷つかずにいられた部分を否応なくえぐる、というのはえぐすぎるような。相手を屈服させるために手段を選ばない、というところに、自分の願いの強さを感じられる、と言う面もあると思いますが。巧みな駆け引きにぐいぐいと引き込まれました。

そして、それ以上に度肝を抜かれたのが、読者の裏の裏の、さらにそのまた裏をついてくるような展開。相変わらずの作者の話運びの巧みさに、鳥肌が立ってしまいました。さらに予想もしないところで、Oの正体も判明。得体の知れない存在であったOの正体が判明したことで、いよいよ物語が終盤であることを感じられました。

もう、一言で言うと圧倒されてしまいました。2年ぶりの新作だけに、期待が高まって仕方ない状態でしたが、その期待に応えるだけでなく、こちらの期待以上の展開を見せてくれました。次から次に繰り出される展開と、圧倒的な駆け引きの濃密さは、そこらのライトノベルと一線を画しています。そして、ついに見えた物語の終着点。期待が高まらないわけがない!といわざるを得ません。

なにげにP.195で提示された種明かしが、この巻では流され気味だったのが気になるところですが。思わず鳥肌が立ってしまった部分だけに、これを次の巻でどう生かしていくか、と言うのも楽しみです。一輝が醍哉を出し抜くとしたら、この点を利用して、ということになると思いますが。ただ、このことに彼が気づいていない、ということもないような気がするだけに、展開が全く読めません。だからこそ、このシリーズが最高に面白いわけでありますが。

あとがきの最後に「近いうちにまたお会いしましょう!」とあるのを信じて、次の巻を楽しみにしたいです。でもなぁ、もう一つのシリーズの続きも気になる……。


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大林 森

おおお!何か面白そう!!((((゜Д゜;))))!予想の一つ上というのがすごく気になりますねー!読んでみたいー!(*´ω`*)
by 大林 森 (2012-07-16 11:12) 

takao

大林森さん、コメントありがとうございます。

このシリーズは、頭がこんがらがる面がありますが、間違いなく面白いシリーズなのでおすすめですよ。
おそらく、今現在において最高レベルのライトノベルだと思います。個人的に。
是非是非読まれてみてください。
by takao (2012-07-16 22:01) 

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