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劇場アニメ「AURA 魔竜院光牙最後の戦い」感想 [映画]

田中ロミオさん原作の『AURA 魔竜院光牙最後の戦い』。オタクの黒歴史を曝くような内容で、痛みを持って受け止められた作品なのですが、今年劇場版アニメとして公開されました。原作の方は私は最近読み終わりましたが、その内容に見せられ、一体どんな作品に仕上がるのか、と興味を持っていました。

問題はこちらの方まで公開されるのか、ということでしたが、願いが通じたのか無事に公開が決まり、早速見に行ってきました。ちなみに、第1回上映に行ったのですが、観客は私を含め6人でしたw

ガガガ文庫原作の劇場版アニメというと、『とある飛空士への追憶』を思い出し、ちょっと嫌な予感はしました。しかし、監督は岸誠二さん。構成上江洲誠さん。主人公佐藤一郎に島崎信長さん、佐藤良子に花澤香菜さんと、『とある飛空士への追憶』の時のようなことはないだろう、と安心して見ることができました。

上映時間は82分。充実した時間を送ることができました。なかなかの良作に仕上がっていたように思います。

それでは、感想は追記にて。ネタバレも含まれます。


AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

  • 作者: 田中 ロミオ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/07/19
  • メディア: 文庫



AURA アウラ魔竜院光牙最後の闘い 1 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

AURA アウラ魔竜院光牙最後の闘い 1 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

  • 作者: 星野 倖一郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/07/18
  • メディア: コミック



AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 2 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 2 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

  • 作者: 星野 倖一郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/11/16
  • メディア: コミック



AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 3 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 3 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

  • 作者: 星野 倖一郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/02/18
  • メディア: コミック



AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 4 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

AURA アウラ 魔竜院光牙最後の闘い 4 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

  • 作者: 星野 倖一郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/04/10
  • メディア: コミック


まず気になったところから。

その一。上映時間82分による、原作からのカット部分。

時間は82分ですが、パンフレットを読む限り最初から時間は80分と決まっていたようです。映画としてこの時間は標準的なのかもしれませんが、『とある飛空士への追憶』があれだったのは実はこれも最初から尺が決められていて、そこに当てはめたからではないか、と思ってしまいました。ライトノベル1冊分。80分ならテレビシリーズ約3話分なので納得と言えば納得ですが。カットされている部分も結構あって、ちょっともったいないなぁ、と思ってしまいました。

カットされているシーンは、私が気付いたところでは、

・ドリセンの奥さんの出番が丸々カット。
・クラスで唯一のヤンキーにして模型部の吉澤くんの出番がカット。
・一郎に竜端子の情報を教えてくれる同級生の出番がカット。
・それに伴う竜端子イベントの減少。
・子鳩さんが読んでいる本の紹介がない(ラノベ好きという設定が、映画だけでは分からない)

でしょうか。もっと原作を読んだのが少し前になるので、実際はもっと多いかもしれません。話の基本ラインは崩れていないのは良いのですが、ちょっともったいないかなぁ、と。ただ、これは上江洲さんも苦心したようですし、仕方ないかな。ただ、最初から80分と決められていなければ、と思わないでもないです。

その二。作画。

正直、劇場版レベルとしては物足りない。別に京アニと比べるつもりはありませんけども。キャラクターの顔が大きすぎてバランスが悪かったり、ドリセンの顔が異様に狐っぽかったり、たばこが短くて細かったり。細かいところなんですけども、ちょっと気になってしまいました。この辺は、AIC ASTAの限界なのかもしれませんが。もう少し頑張って欲しかったなぁ。

その三。重苦しさが十分に表現できていなかったかな。

尺の関係で、物語の基本として「スクールカースト」と「ボーイ・ミーツ・ガール」だろう、とは監督の言ですが、スクールカーストから来る苦しさが、原作を読んだときほど感じませんでした。
もっとも、私はすでに原作を読んで、コミカライズ版を読んで、そして劇場版となっていたので、展開は分かっていた、ということもあると思います。

この作品の苦しさは「確かに大島たちは悪い奴だけど、その言い分も分かるよね」というところから来ると思います。ただ、改めて見ていると、大島たちがやり過ぎて「確かに学校のルールを守っていないから指摘するのは分かるけども、お前らの方が悪い」と感じてしまいました。山本なんて、気に入らないから暴力振るう、ってDQNとしか思えませんでした。

大島も
「かばう方がおかしい!コスプレ……私服を許しているとこがおかしい!ありえない!誰も納得してない!あんたの仲間ども以外はな!私らがタバコ吸ってお咎めなしになるか?ならないだろ!!」(コミックス3巻より)
みたいな台詞を吐くのですが。いやいや、コスプレは校則違反だけど、タバコは法律違反だろう?比較対象としておかしい、と思ってしまうわけで。抑圧されていることは感じますが、相手にも正義があって、というところが感じにくかったように思います。いじめっ子の論理としか思えなかったです。


気になったところはこれくらいでしょうか。次によかったところを。


その一。演出がよかった。

物語のトーンは全体的に曇ったような、青白い画面の印象を受けます。これは、「冷たくて嫌な場所としての「学校」の物語」という意向の演出ですが、作品のトーンを引き締めていたと思います。ただ、ラストで色が戻ることがイマイチ分かりづらかったのは残念かなぁ。

キャラクターの描写では、佐藤良子さんの表現は特によかったです。監督が言うように、原作の良子は時折「本当に魔法使いなんじゃないだろうか」と思うときがありましたし、コミカライズ版でもどこか無表情に感じたのですが。アニメでは良子もあくまでも人間なのだ、という所が強く感じられました。特に、大島からの攻撃が本格的に始まる場面での表現は、だからこそラストの儀式に繋がることに説得力があったように思います。

あと、子鳩さんもよかったですね。これは私だけかもしれませんが、原作だとほんのちょっとした一言に、棘を感じてしまう部分がありました。劇場版ではそれを感じなかったのはよかったです。

その二。声優。

やっぱり本職の声優の素晴らしさです。ファナ王女みたいな人はいない。これだけで、物語にどれだけ集中できるか。

ちなみに、個人的に一番よかったと思うのは大島役の井上麻里奈さんでした。もう、なんというか。いじめっ子らしいいやらしさが凄くよかったですw声のトーンが合っていたんでしょうね。

その三。物語の面白さをよく表現できていた。

この物語は、個人的には「夢見る少年少女が、厳しい現実を真正面から受け止め歩んでいこうと決意する物語」だと思います。パンフレットで作者は「自分の中ではハッピーエンドの範疇」といっていますが、私はこれには賛成です。「夢見続けることはできない」と捉えると、アンハッピーエンドかも知れませんが、同じ方向を向いて歩んでくれる人がいる、というのはとても幸せなことではないでしょうか。

特に、ラストの一コマはこの物語が「ハッピーエンドだ」ということを強く印象づけてくれるものでした。個人的にコミカライズ版のラストシーンは若干物足りなさを感じていたのですが、劇場版のラストは100点満点でした。原作を読んだときのイメージとぴったりでした。

原作未読でも、所々「?」と思う部分があるかもしれませんが、物語の本筋はわかりやすいですし、楽しめるないようだったと思います。もちろん、原作既読の方も納得の出来ではないでしょうか。改めて、この作品の良さを確認できた劇場版でした。

できたら、この感じで『灼熱の小早川さん』もやってくれたらなぁ。
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tamapu-

こんにちは。

なかなかの作品のようですね。
私は「人類は衰退~」のBD特典さえも見ていませんでした。絵が・・・。

原作1巻だけ読まずに所有しているので、まずはそこから行ってみますw


by tamapu- (2013-05-26 03:45) 

takao

tamapu-さん、コメントありがとうございます。

とりあえず、中高生の時に黒歴史があるような人には、結構苦しいというか、きつい作品だと思います。
作者の田中ロミオさんの元に「傷つきました」という意見が届いたらしいですし。
ただ、これが現実というか。リアルな物語でもあると思うんですよね。
絶対いつかぶつからないといけない問題をあえてライトノベルで描いた作品、というか。

原作読まなくても大丈夫だと思うのですが、原作を読んだ方がよりわかりやすいと思いますし、是非原作を読んでみてください。
痛い作品ではあると思いますが、面白い作品です。
ラストも爽快だと思いますよ。
by takao (2013-05-27 18:26) 

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