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『世界の終わりの世界録1:再来の騎士』/細音啓 [メディアファクトリー]

(作品紹介)

<伝説の再来>(アンコール)がはじまる!
 
伝説の英勇(えいゆう)エルラインが遺した、世界の終焉(おわり)と再来とを記した至宝「世界録(アンコール)」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求 める世界録大争奪時代――騎士志望の少年レンは、彼(か)の英勇(エルライン)生き写しの容姿ながら剣才に恵まれず「偽英勇」とバカにされる日々を送って いた。そんな彼の前に現れた、封印より目覚めし伝説の竜姫キリシェ。レンをエルライン本人と勘違いし、外見だけだと失望したキリシェだったが、一方でレン の中に秘めた可能性を見出すことに。そして、かつて英勇と共に世界を救った大天使フィアや先代魔王エリーゼとの世界録をめぐる旅へと少年を誘う。「わたし と、行くか?」――これは、英雄たちが奏でる狂騒への序曲(プレリュード)。今、偽英勇の少年と伝説が邂逅する!

 


世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)

世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)

  • 作者: 細音 啓
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2014/07/24
  • メディア: 文庫

 

感想は追記にて

(感想)

この作品が、『黄昏色の詠使い』と並ぶ、作者の代表作になりそう。そんなことを予感させる1巻でした。細音啓が送る、王道ハイファンタジーシリーズの、素晴らしい開幕になりました。

細音啓さんと言えば、デビュー作である『黄昏色の詠使い』に2作目の『氷結鏡界のエデン』3作目の『不完全神性機関イリス』と、ファンタジー作品を発表し続けてきた作者で、その作風には多くの固定ファンがいるのではないか、と私は思っています。私も作者のファンで、これまで出してきたシリーズ全てを楽しませてもらいました。

イラストのふゆの春秋さんと言えば、個人的にはSD文庫の『はるかかなたの年代記』(打ち切り)なのですが、美麗なイラストを描かれるイラストレーターさん、というイメージがあります。そういえば、『はるかかなたの年代記』は、色を作品世界に取り入れているところとか、色々なところが『黄昏色の詠使い』に似ていると感じましたが、今度は細音啓さんの作品のイラストを描くというのは、なかなか面白いことかもしれません。

閑話休題。本作を一言で言いあらわすと、「王道」。この一言に尽きると思います。騎士志望で聖フィオラ旅学園に通う主人公・レン。300年前の伝説の英勇エルラインの生き写しでありながら、賢才に恵まれず「偽英勇」と馬鹿にされる彼が出会ったのは、伝説の英勇エルラインのかつての仲間であった竜姫キリシェ、大天使フィア、先代魔王エリーゼ。この4人の世界録(アンコール)を求める旅がこの作品。

この巻では、仲間との出会い、強力な敵との対峙と主人公の秘めたる力の目覚め、まだ見ぬこの世界の実力者たち、とまさに王道。それ故に、手堅い。

しかし王道故に、これから綴られる世界を巡る冒険を感じさせて、ワクワクさせてくれました。

個人的に心配だったのは、MF文庫Jから出る、ということで、MFフォーマットが作品にどのような影響を及ぼすか、ということ。見事なまでにMFフォーマットにのっかった『精霊使いの剣舞』は、アニメの評価が案の定でした。それ故に、心配していたのですが、見事なまでに杞憂に終わりました。むしろ、レーベル自体が作者の持つ良さを生かすようにしていると感じさせました。読み終わってみると、富士見ファンタジアから出している『S.I.R.E.N.』の方が、MF文庫のイメージだったという。

個人的に一番印象深かったのは、キリシェがレンを世界録を求める旅に誘うシーン。強すぎるが故にかつては孤独で、しかし英勇によって仲間を知ったキリシェ。彼女がレンの孤独を感じ取って手を差しのべるシーンは、作者の作風の優しさを表したシーンのようでした。「作者の持ち味を生かすように作品を作っている」ということが、このシーンで感じられました。

主人公のレンもかなり好印象。「偽英勇」と馬鹿にされながらも、それに腐ることなく努力し続ける姿勢。「倒れる時は前のめり」とでも言わんばかりの姿勢。自分の身の程を弁えながらも、決して敵にひるむことなく挑む姿。非常に気持ちよいものでした。その才能の片鱗もこの巻で見せてくれましたし、彼の成長が楽しみだ、と思わせてくれる主人公でした。

エピローグでは、現在の世界で名をはせる3人が出てくるのも、王道的展開でよかったです。この3人がどのタイミングで、どのような形で主人公たちに絡んでくるのか、楽しみです。

エピローグの3人が感じている不穏な空気とは。伝説の英勇エルレインと3人のヒロインが共に戦い、ヒロインたちが大きな傷を負うことになった終焉戦争とは何だったのか。なぜこのタイミングでキリシェ、フィア、エリーゼが揃ったのか。世界録を探し求める旅、となっていますが、これからどんどん世界の大きな波に飲み込まれていくことが予感され、期待が否が応でも高まってしまいます。

また、作者のシリーズを読んできたものとしては、この世界も作者のこれまでのシリーズに繋がるシリーズなのか、という楽しみもありますね。

ファンタジー作品に意外と強いMF文庫から出された細音啓さんのハイファンタジーシリーズ。イラストにふゆの春秋さんを持ってきているのは、レーベルのこのシリーズにかける期待の現れなのかも知れません。果たしてどのような物語を見せてくれるのか。楽しみにしたいシリーズがまた一つ増えました。


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