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『緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑』/相沢沙呼 [メディアファクトリー]

〈内容〉

魔術の才能がからっきしな少年、ジゼル・アンダーブルックリン。魔術師のための学校“識者達の学院”を自主退学した彼が目指すのは、冒険者だった。手始めに冒険者の集う酒場“金獅子亭”へと赴いたジゼルだったがそこで偶然、助けを求めていた半妖の少女、ミリアと出会う。ミリアは“姉のレナリアを探してほしい”という依頼を受けてくれる冒険者を探していた。“金獅子亭”の代わりにその依頼を引き受けたジゼルはやがて、とある事件の全貌を追っていくことになり…。相沢沙呼×so‐binの大型タッグが贈る、持たざる者のための探求叙情詩が幕を開ける―。

 

文庫版


緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑 (MF文庫J)

緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑 (MF文庫J)

  • 作者: 相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: 文庫

 

Kindle版


緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑<緑陽のクエスタ・リリカ> (MF文庫J)

緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑<緑陽のクエスタ・リリカ> (MF文庫J)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
  • 発売日: 2015/10/31
  • メディア: Kindle版

 

感想は追記にて 

 当ブログは、相沢沙呼さんを応援しています 

鮎川哲也賞で受賞してデビューした相沢沙呼さん。これまでミステリーを中心に一般文芸で活躍されていました。その作者が、Twitterで「ラノベ書きたいな」と呟いたことが縁で、このたびライトノベルで作品を出版することになったようです。思えば、数年前にライトノベルから一般文芸への「越境」が話題になりましたが、それに倣えば「逆越境」という感じでしょうか。

 

 英雄になれなくても、誰かのための勇者になれる。 

どことなく、『テイルズオブディスティニー2』を思い起こさせるキャッチコピーですが、こんな宣伝文句が付けられているようです。これが、本作の内容を端的に表しているのではないか、という気がします。

なんだかんだで、俺Tueeee系が多いような印象のライトノベル。2015年秋季のラノベ原作アニメも、落ちこぼれとといわれながら実はそれはその世界での価値観で「落ちこぼれ」なだけだったり、リミッター付きのチート能力を持っていたりするような印象です。

それに対して、本作の主人公は正真正銘の「落ちこぼれ」といっていいのではないでしょうか。魔術師学校に通いながら、己の体質のために魔術の才能がなく自主退学。剣を手にとって冒険者になろうとするも、あくまでも魔術私学校の中では剣が得意、というだけで、実践ではまだまだ未熟。そんな主人公です。

ただ、困っている人がいたら、手を差し出さずにはいられない。それが何より主人公として素晴らしい美点でした。まさに、「英雄になれなくても、誰かのための勇者になれる」ということばにふさわしい主人公といえます。こういう主人公は、やっぱり気持ちが良いものです。

 

 作者のこれまでの経験が存分に生かされた物語 

あとがきによると、「今回はTRPGでいうところの、シティ・アドベンチャーという形態を意識しています」ということです。物語を読んでいると、まさにRPGを感じさせてくれる物語だったと思います。クエスト発生→情報収集→敵の手がかり→さらに情報収集→イベントバトル→クエスト達成、という展開は、私がこれまで読んだライトノベルにはあまりなかった、ちゃんと手順を踏んだ物語だと感じました。これが、RPGを感じさせてくれた理由でしょう。

また、物語の展開自体、どこにいるのか、誰が行っているのか、目的は何か、最終目的地は、とミステリの要素が存分に生かされていました。デビューがミステリ作品で、これまでミステリ作品を多く書いてきた作者だからこその要素です。これが、物語を盛り上げることに成功していました。

また、細かいところですが、文量自体結構多めの印象。所謂サービスシーンと呼ばれるシーンの描き方も、ちょっとエロティックな印象を受けました。 

 

 物語は始まったばかり 

この物語では、主人公の冒険者としての第一歩と、主人公とヒロインとの出会いが描かれています。相手を注意深く観察し、考え続けることを武器にするという主人公は興味深くも、実力はまだまだひよっこ。ヒロインは、かなりの力を秘めているようですが、心に闇を抱えているようで。この二人が、一体どんな物語を展開していくのか。世界の片隅の、主人公とヒロインの物語を紡いでいくのも面白そうな気はします。でも、きっと大きな世界の流れに飲み込まれることになるでしょうね。

個人的に、まさに「物語」というべき作品でした。とても面白かったです。古き良き王道ファンタジーとして、今後を期待したいです。おすすめ!


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