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『小説の神様』/相沢沙呼 [講談社]

〈作品紹介〉

いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。

物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!

 

文庫版


小説の神様 (講談社タイガ)

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Kindle版


小説の神様 (講談社タイガ)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/06/21
  • メディア: Kindle版

 

 

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『永遠の0』/百田尚樹 [講談社]

(あらすじ)

日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。 人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。 元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り……それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか?
健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。 (講談社BOOK倶楽部より)


永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)




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タグ:小説
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『生徒会探偵キリカ 4』/杉井光 [講談社]

<あらすじ>
ふふ、ひかげさんのそれ、待ってました。
どきどきしちゃいます

生徒数8000人の超巨大学園に秋がやってくる。食欲の秋、読書の秋、そしてスポーツの秋!二学期最初のビッグイベント・体育祭を控え、生徒会は臨戦態勢に入っていた。
もちろん白樹台の体育祭はただの運動会じゃない。運営権と予算枠3000万円を
賭けた、体育科とのガチンコバトルだったのである!強大な敵を前に、普段は反目しあう会長と朱鷺子さんと郁乃さんも一致団結。キリカも莫大な予算額にいつになくやる気満々。そして僕らの前に立ちはだかる体育科のリーダーは……魔王陛下?
いつもより多めの肌色に青春の汗と涙がまぶしく光るハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、第4弾! (講談社ラノベ文庫 ウェブページより)




生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)




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『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者』1,2/榊一郎 [講談社]

(あらすじ)

アウトブレイク・カンパニー~萌える侵略者~1
アウトブレイク・カンパニー
萌える侵略者1
特集ページはこちら

著:榊一郎 / イラスト:ゆーげん

異世界交易の切り札は『萌え』だった!?

高校中退状態の慎一が、セッパつまったあげくの就活で得たのは、ファンタ ジー世界で、おたく文化を伝導するという仕事!?

ほとんど騙された形で連れ て行かれた場所は、ドラゴンが宙を飛ぶ、まさに異世界だった! が、このあ まりにも異常な状況と展開でも、生粋のおたく育ち・慎一は苦も無く適応!!  マジで、ハーフエルフの美少女メイドさんや美幼女皇帝陛下とラノベ朗読で親 交を深める萌え展開に。だが、世の中はやはり甘くない。慎一の活動に反感を 持つ過激な勢力がテロを仕掛けてくる。さらに、その慎一の活動そのものにも 何やらキナ臭い裏が!? 『萌え』で、世の中を変革できるのか? それとも 『萌え』が、世界を破滅に導く!?(1巻)

富士の樹海に開いた異世界への通路、その先は『神聖エルダント帝国』に、
ドラゴンが宙を飛ぶファンタジー世界へと通じていた。この異世界へ日本政府の要請で
オタク文化伝道をすることになった加納慎一。
最初の混乱と騒動をなんとか乗り越えて、じょじょにハーフエルフの美少女メイド・ミュセルや美幼女皇帝ペトラルカとの親睦を深めていき、いい感じになりつつあったが、そうは世の中、甘くない。実は異世界はいまだ戦争状態、ほかの国からスパイが潜入。
さらに政府の裏の意図に気づき、だんだん耐えられなくなっていく慎一が取る思い切った行動に、日本側も冷酷な反応を返してくる。
今度こそは、プロ対プロの本気の戦いが勃発する!!(2巻)

共に講談社ラノベ文庫ウェブページより





アウトブレイク・カンパニー~萌える侵略者2 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー~萌える侵略者2 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者: 榊 一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/28
  • メディア: 文庫



アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1: 1 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1: 1 (講談社ラノベ文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/02
  • メディア: Kindle版



アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者2: 2 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者2: 2 (講談社ラノベ文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/28
  • メディア: Kindle版



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『生徒会探偵キリカ 2』/杉井光 [講談社]

(あらすじ)

生徒数8000人超の巨大学園を支配する生徒会に、見習いとして入った僕。
正式な書記になるには、生徒会長のライバル・中央議長の朱鷺子さんに認められ
なければいけない。次第に明らかになる生徒会役員たちの過去、そして登場する前任の書記は……やっぱり変態さん?
着替え中の女子中学生を狙った(?)詐欺事件に、陰謀渦巻く文化祭実行委員会の
委員長選挙、そして会長と朱鷺子さんとウサギを巡る失踪事件。
次々と舞い込むトラブルを《生徒会探偵》聖橋キリカが一発解決!
ヒロインも登場でますます加速するハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、第2弾!

 

(感想)

今回は短めに。

ライトノベルらしさを、「軽さ」「キャラクターの掛け合いの妙(楽しさ)」と定義するなら、実にライトノベルらしい作品だなぁ、と感じました。詐欺師扱いされる主人公・ひかげの軽妙なツッコミが楽しかったです。1巻の展開で詐欺師扱いされるのは、なかなかに可哀想な気もしましたが。

周りのキャラも相変わらずぶっ飛んでいましたが、今回も一筋縄ではいかない新キャラ登場。テンプレどおりではありますが。薫は今回の中心となっていましたが、柏崎先輩はなかなか使い勝手が良さそうなだけに、今後どう絡んでくるかが楽しみです。また、今回名前だけの登場にとどまった伊吹先輩も物語に絡んでくるのか。今回、ずっとずっ先の話として示された展開に絡んで来そうですが。楽しみなところです。

話の展開としては、1巻のような荒唐無稽でダイナミックな展開ではありませんでした。その分、解決編にしても納得できる展開であったと思います。如何にして主人公が超人集団の中において、アイディアで出し抜くか、という点で楽しめたと思います。ただ、『生徒会探偵』の活躍を期待すると、肩すかしを食らうかな、という感じがしました。「生徒会ギャンブラー」の暗躍と「生徒会詐欺師」の活躍がメイン、といった感じがしました。

個人的には、人間関係のあり方が面白かったかな、と思います。互いに認め合いながら、だからこそ反対の立場に立つしかない狐鉄と朱鷺子。自分の立場を自覚し、そばにあり続ける美園。狐鉄のそばにありつつ、打ち勝ちたいと願うキリカ。そして、そこに現れた詐欺師・ひかげ。このメンバーがどのような展開を迎えていくか、楽しみです。

生徒会探偵キリカ2 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ2 (講談社ラノベ文庫)

 


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『生徒会探偵キリカ 1』/杉井光 [講談社]

(あらすじ)
 僕が入学してしまった高校は、生徒数8000人の超巨大学園。その生徒会を牛耳るのは、たった三人の女の子だった。女のくせに女好きの暴君会長、全校のマドンナである副会長、そして総額八億円もの生徒会予算を握る不登校児・聖橋キリカ。
 生徒会長によってむりやり生徒会に引きずり込まれた僕は、キリカの「もうひとつの役職」を手伝うことになり……生徒会室に次々やって来るトラブルや変人たちと戦う日々が始まるのだった!
 愛と欲望と札束とセクハラが飛び交うハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、堂々開幕!(裏表紙より)

(感想)
いよいよ、講談社が満を持して放つ講談社ラノベ文庫第一回配本作品の一つ。講談社ラノベ文庫自体見てみると、全部で8冊となかなかそろえてきたな、と言う印象を受けました。確か、ガガガ文庫(小学館)は5冊くらいだったような(うろ覚え)気がするのですが。執筆陣も、『神様のメモ帳』シリーズの杉井光。『東京皇帝☆北条恋歌』の竹井十日。『神曲奏界ポリフォニカ』の榊一郎。『けんぷファー』の築地俊彦。『マルタ・サギーは探偵ですか?』シリーズの野梨原花南(これしか知らないだけ(^^ゞ)と確かな作家をそろえてきた印象です。さらに、『進撃の巨人』のノベライズ作品。一六歳になったどれみ達を描く、『おジャ魔女どれみ16』。そして、第一回講談社ラノベ文庫新人賞大賞受賞作品の『魔法使いなら味噌を喰え!』と、さすがは大手出版社、と言いたくなるようなラインナップです。

さて、そんな創刊ラインナップに入っている本作ですが、タイトルを見ると、電撃文庫から出版されている『神様のメモ帳』を彷彿とさせる印象。私は、『神様のメモ帳』を読んでいないので、単純比較できないのが残念なところですが。そんな私が読んでみて、感じたのは「うん、ミステリ……じゃないよな」と言う事でした。

本作は、主人公が入学して生徒会に加わるところから、キリカの危機とそれの解決までが描かれました。そして、その中で起こった事件をキリカが見事に解決するところが描かれていたのですが。ただ、謎自体が正直言ってどうでも良いようなものに思えてしまったことや、あまりに謎を解くにしては情報が少ないこと。そして、その謎をあっさりとキリカが解決してしまうことから、ミステリ部分に関してはさほど満足感が高くないように感じました。ラストエピソードは、キリカの「会計」としての能力が試されているのであって、ここではもう「探偵」は関係ないよな、と言う印象でした。

では、本作の魅力は何か、と聞かれると、やはり「キャラ」となるでしょう。実際に読んでいると、キャラクターはライトノベル的な個性があって魅力的。女好きの暴君会長。憧れの先輩の弟である主人公を慕う、自分の武器に自覚的である小悪魔的なマドンナ副会長。そして、引きこもりで対人能力が極度に欠如しているような会計兼探偵(本作ヒロイン)。そのほかにも、監査や議長というキャラが登場。主人公を含むこの6人がメインで話を引っ張って行く、という感じでした。この賑やかなメンバーが登場し、物語を展開します。そして、物語を引っ張るのは、軽快なボケと突っ込みの応酬。これが物語を読み進めるのをぐいぐいと進ませていたように感じました。

個人的に良かったな、と思うのは、ラストエピソードです。前述のように、これはもう「探偵」は関係ないのですが、そのライトノベルだからこそ許されるようなスケールの大きさ。物語の盛り上がり。それが素晴らしかったと思います。読者には何が起こるのか分からないように展開して、その巨大な全貌が一気に見える、と言うのは圧巻でした。物語の解決としては、あまりにご都合主義すぎる、と言うか、リアリティに欠けているきらいもありますが、それはそれ。これはあくまでも「ライトノベルだから」と言う事で許して良いのではないかな、と思いました。物語が面白くなるなら、少しくらいの無茶は許しても良いかな、と。
 
(12/10追記)
言葉足らずだったところがあるようなので、詳しく。ラストの展開は、予算8億円を株取引で3倍以上に増やす、と言うもの。私は株取引をやったことがないので、全く無知なのですが、それが可能か、と首を傾げてしまいました。私的には、荒唐無稽なエピソードです。これがもし、一般の小説で描かれたとしたら、違和感がかなり大きいと思いますし、突っ込まれるのではないかと思います。しかし、ことアニメ、マンガ、ライトノベルというジャンルに限れば、このような突拍子もない荒唐無稽さも許されて良いのではないか、と私は思います。もちろん、許せない、と言う方がいらっしゃっても、不思議ではないと思います。
(追記終了)

ラストで見せた、キリカのデレがまた可愛らしくて、思わずニヤニヤしてしまうような。こちらまで幸せな気分に浸れそうな感じがして、読後感が非常に良かったのも好印象です。

気になる点としては、やはりラストエピソードの展開。これをどうとらえるかによって、物語の評価が大きく変わってしまいそうな印象を受けました。また、キャラクターのやりとりが本作の魅力であるのですが、どこをとってもずっと同じテンポ、と言う感じがして、1巻の途中からですら、既視感を感じ、飽きを感じてしまいました。この辺は少し残念だったかな、と思いました。

探偵、と言う部分を期待して読むと肩すかしを食らうかな、と。ただ、巨大学園を舞台にしたキャラクター小説、としてとらえると、なかなかおもしろかったように思います。突き抜けたものはないですが、安定した面白さ、と言ったところでしょうか。ラストのクライマックス含め、個人的には満足できる作品でした。

ここからは余談。さて、本作を読んでいて感じたことを一つ。最近は一般のミステリでもライトノベルに近しいような書きぶりの作品を見ることが増えてきています。そして、ライトノベルでも、ミステリを描くものが増えているような印象です。ミステリのラノベ化。ラノベのミステリ化、と言うような感じで、一見近しいようですが、やはりこの二つには大きな隔たりがあるな、と感じました。

ラノベ化するミステリ。これは、あくまでもキャラクターがライトノベル風に個性を与えられ、文章を軽快にし、読みやすさ、リーダビリティーを高めているのであって、あくまでも勝負する舞台は、「ミステリ」。物語の面白さの中心、物語の芯となる部分は「ミステリ」なんだな、と感じます。それに対して、ライトノベルのミステリ作品は、物語に謎解きをくわえているのですが、それはあくまでもエッセンスとして。謎解きは実はたいしたことがないことが多いように感じます。それでは、何が物語の芯になるか、と言うと、それは「キャラクター」。キャラクターの魅力を見せるのがメインであって、ミステリはそのキャラに「頭脳明晰」「推理力が高い」「発想が素晴らしい」というキャラをつけるために使われているように感じました。

果たして、このまま「ライトノベルみたいなミステリ」「ミステリ風味のライトノベル」それぞれが混じり合うことなくリリースされ続けるのか。それとも、この二つが高次元で交わり合って、「本格推理のライトノベル」と呼ぶべきものが出版されるのか。非常に興味深いです。すでに、米澤穂信さんの古典部シリーズや小市民シリーズがそれに近いような感じもしますが。今後どうなっていくのか、非常に興味深いです。


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『来たれ、野球部!』/鹿島田真希 [講談社]

(あらすじ)
頭脳・容姿・運動神経の三拍子揃った「選ばれし」喜多義孝と、幼馴染みの目立たない「ふつうの」宮村奈緒。10年前に自殺した女子高生の一冊の日記をきっかけに学園のエースは異変をきたす。その時、彼女はーー!?(帯のあらすじより)

(感想)
純文学は全然読まない私ですが、何故か鹿島田真希の『6000度の愛』は読みました。長崎が舞台だったからなのですが。純文学作品経験の少ない私はさっぱりで、「やはり私に純文学は無理だな」と思ったものでした。

それから、数年。純文学作家のはずの鹿島田真希が、マンガ調の表紙!タイトルが青春ものっぽい!そして、「私は文学を高尚なものにはしたくはなくて、ドストエフスキーやバルザックのように三面記事を読んでネタにするような娯楽読みものでありたいと、この小説を書きました」との作者の言葉に期待してこの作品を手に取ってみました。一体、彼女が描く娯楽読みものとは一体どういうものか、と期待して。そして、フタを開けてみたところ、割と純文学寄りの作品で、やっぱり純文学作者なんだなぁ、と感じた次第でした。

この作品は4人の視点が次々と入れ替わりながら物語が紡がれます。エース・喜多義孝。幼馴染み・宮村奈緒。二人の担任の現国教師で野球部顧問・浅田太介。音楽教師・小百合。メインは高校生の二人ですが、その二人の関係に変化を与えるために、二人がいる、という感じでしょうか。

そして、物語のテーマですが、てっきりタイトルからして、義孝が甲子園を目指す話かと思ったら、全くそうではありませんでした。そういう意味では、見事なタイトル詐欺の作品です。では、この物語で描かれるテーマは何か、というと、私は「人を愛すること」「愛」だと感じました。余談ですが、読書メーターの感想を見たら、「生」と「死」の物語と書いている方もいました。

相手を愛するが故に、相手を何よりも尊いものと感じるからこそ、自分がそれに見合わないと考え、消極的になってしまう。臆病になってしまう。遠ざけてしまう。そんな二人の関係からスタートするところが面白いと感じました。ご存じの通り、私は普段はライトノベルばかり読んでいるのですが、そのあたりだとこの愛の形は描かれることが殆どありません。あったとしても、極端に卑屈な形になってしまいがちです。

それ故に、この輝く相手を好きになってしまった、それに劣る自分、という愛の図式が非常に新鮮に映りました。さて、それがどう変化するのか,と思ったら。意外な方向に行って吃驚。帯に、「純文学の気鋭が挑む、ハイテンション学園ラブストーリー」とありましたが、この辺がハイテンションなのかな、と感じました。ただ、普通の人が感じるハイテンションではないなぁ、という気がします。ついでに言うと「学園ラブストーリー」の部分にも違和感を感じます。

相手を思いやるが故に、自分の本心を押し隠してしまい、その結果すれ違いが生じたり。そのすれ違いが決定的な訣別を産んでしまったり。物語の展開としては、波乱に富んでいたかな、と感じました。ただ、それが不自然な形で愛を育んでしまったためであったことは自明であったし、そこから生まれたラストを見る限り、幸せな結末に向かっていくことを感じさせてくれました。途中、爛れたような展開だっただけに、ラストは明るく終わっていたと思います。

タイトルから、青春ものを想像したり、表紙から爽やかな青春ものを想像して購入すると、呆気にとられる可能性大だと思います。帯に絶賛のコメントが乗せられていましたが、こう感じられる人がどれくらいいるのかなぁ、とも思いました。文体自体が、確かに「娯楽読みもの」として通じる程度に合わせて来ているのですが、純文学の香りが感じられる部分もありました。内容自体も、歪な愛の形なので、好き嫌いが分かれそうな気がしました。

とはいえ、私はなかなか楽しむことが出来ました。「愛ってそういうところがあるよね」と思うところがありつつ。だからこそ人を好きになる、という行為は尊くて、素晴らしいんだよね、と思わせてくれました。義孝については、思うところがないわけでもないですが。

個人的には、この作品を読み終わった時に、『全滅なう』を思い出しました。方や純文学風味の娯楽読みもの。方やライトノベルと全然タイプの違う作品ではありますが。どちらも、『全滅なう』が「狂おしい愛」を描いた物語だとしたら、『来たれ、野球部!』は「狂気の愛」を描いた作品なのかな、と。若干ベクトルは違うものの、どちらも愛の持つ毒であり、尊い部分を描いた作品なのかな、と感じました。


来たれ、野球部

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『一瞬の風になれ 1 イチニツイテ』/佐藤多佳子 [講談社]

はたして、何ヶ月ぶりに読んだ大衆小説でしょうか。2007年、本屋大賞と吉川英治文学新人賞を受賞したときから評判も良かったので、読もう読もうと思いつつ、現在にいたり、文庫化された今になってようやく読むことができました。とは言っても、1のみですが。

一瞬の風になれ1.JPG

それでは、感想は追記でお願いします。とは言っても、今回は短めですが。

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魔王/伊坂幸太郎 [講談社]


魔王 (講談社文庫 い 111-2)

魔王 (講談社文庫 い 111-2)




最近、ラノベばっかり読んでいたので、気分の切り替えに読んでみました。ちょうど文庫版が届いたばかりだったので。余談ですが、3ヶ月くらい前にドラマの『魔王』が始まったとき、これのドラマ版かと思ったら、全然違ったというのはいい思い出です。ついでにその時は(今もかも)「魔王」と言えば、福山潤声の魔王を思い浮かべたものでした。と思ったら、本編でもシューベルトの『魔王』に言及してあったのは少し笑えました。まあ、『魔王』という文字がタイトルにつく以上、外せないものでありますが。

閑話休題。以下紹介文。

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語(裏表紙より)

とありますが、超能力は特に関係ありません。本文中では、政治について語られていますが、政治批判、と言ったわけでもありません。では、この作品の角は何か。私の非常に拙い読解力で判断するには、安易に流されやすい大衆の心を描いているような気がします。そして、大衆のもつ力、それが『魔王』なのではないか、と思いました。

本編を読んでいて、確かにインターネットによって簡単に知識を得ることはできるようになりましたが、それを自分で判断できているのかあまり自信はないな、感じました。もちろん、メディアリテラシーの大切さは痛感しているのですが、まだまだ自分に都合のいい、気持ちのいい情報だけ選んで信じている気がします。このままだと、私も大衆に流される人になっていそうだと思いました。本書の犬養みたいな人間が相手だとしたら、多分私の変なアレルギーのようなものが出て、反対派に回っていそうな気がしますが。それも、自分で考えて判断しているわけではないのが問題でしょう。

『魔王』という作品では、明確な結論が書かれていません。しかし、あえて結論を出さないことで、その人なりの『魔王』像などを考えさせるようにした作品かな、と思いました。まあ、本作のテーマは、どっちが正しい、どっちかが間違いと言った二元論で語ることができないものですが。

同時収録の『呼吸』は、『魔王』ほど考えさせられる部分はなかったと思います。ただ、一つの思想に対して、賛否両方の意見を描いていたのが印象的でした。この二つの意見を比較する、と言う面では、考えさせられました。ちょっと前に読んだ『となり町戦争』も、このように、片一方の意見を、疑問の形で読者に投げかけるのではなく、両方の意見を書いていれば、もっと面白く読めたのかな、と考えながら読み進めました。ただ、最後が少し肩すかしを食らった感じでした。もう少し先まで書いて欲しかったです。ただ、『魔王』とのリンクを考えると、ここで切るのがベストかな?

『魔王』は考えさせられ、『呼吸』は純粋に楽しめ、非常に満足しました。直接的な続編ではない、とはいうものの、『魔王』の舞台から50年後の日本を描いたと言う『モダンタイムス』が来月あたり出るらしいので、そっちも読みたいです。でも、潤也が何か成した、とかなさそうだなぁ。

最後に、また余談。非常にすばらしい作品だったので、「何で、これで直木賞とれなかったんだろう」、と下世話なことを考えて調べてみたら、『魔王』ではノミネートされていなかったのですね。ただ、これがノミネートされていても、今の審査員だったら、直木賞あげてなかった気も。
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野球の国のアリス/北村薫 [講談社]


野球の国のアリス (MYSTERY LAND)

野球の国のアリス (MYSTERY LAND)




大好きな北村薫さんの新作。早速読んでみました。

文体としては、かなり柔らかい印象を受けました。元々、北村薫さんの文章からは、「上品」という印象を持っていましたが、そういうわけでなく。非常に読みやすいという感じでした。「かつて子どもだったあなたと少年少女のための―」とあり、少年少女が読むことを意識したのだろうと思います。まあ、少し言い回しが気になることもありましたが。そして、さくさく読めました。

あらすじは、小学校まで野球少女として活躍していた少女・アリスがひょんな事から鏡の国に入り込み、そこで鏡の国の野球大会の在り方のため、試合を行う、というもの。本文中では、アリスが非常に生き生きと魅力的に描かれていました。なにげなく、脇役の兵頭君と五堂君がいい味出してました。兵頭君は、出番が少ないながら結構良かったです。

気になったのは、肝心の野球シーンがあっさり終わることと、これまた相手チームの監督があっさりしすぎていることでしょうか。特に、相手チームの監督は簡単に改心しすぎなのが。まあ、ここが北村薫さんの描くキャラクターのいいところかな、と思います。反面、弱点でもあるのですが。あと、装丁が凝っているのはいいですが、値段が高すぎる気が。もうちょっと安くして、それこそ少年少女にも手が出るような値段にして欲しかったなぁ。

まあ、気になるところはありますが、なかなか楽しい小説であり、何とも言えない、さわやかな読後感を覚えました。この暖かな感じも北村薫さんの作品のいいところですね。ただ、物足りなく感じる人も多いかも知れません。

個人的には、次はベッキーさんシリーズの新刊が読みたいなぁ。
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