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『子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき』/玩具堂 [角川]

第15回スニーカー大賞「大賞」受賞作。昨年は,久しぶりに大賞が出た!とやっていたのですが,もう1年経ったんですね。あの作品,買ったは良いけど読んでませんがw


子ひつじは迷わない  走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 玩具堂
  • イラスト:籠目
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/10/30
  • メディア: 文庫



今年の生徒会選挙で公約された,生徒の悩みを解決に導く「迷わない子ひつじの会」生徒会1年書記であり,会のメンバーである成田真一郎(なるた・まいちろう)は,会の最初の相談を解決しようとする中で,同じ一年生デセイと改質の隣の資料室を読書の隠れ家としていた仙波明希(せんば・あき)と出会う。毒舌で真一郎を攻撃する明希だったが,彼女の予想は見事的中。最初の悩みを解決することができた。
そのことが評判になり,「迷わない子ひつじの会」は盛況。困ったときは仙波に相談,で生徒たちの悩みを解決していく「迷わない子ひつじの会」の今後は?

なんと言うか,あらすじが書きにくいw

正直ですね,表紙からしてちょっとお色気もあるよ,なラノベだと思っていたのですが,全然違いましたwと言うか,表紙見ただけの時は,「大賞」受賞作品だと思ってなかったですwそして,デビュー作にもかかわらずコンプエースでコミカライズ決定。そして,仙波明希役に,今をときめく竹達彩奈さんを迎えてドラマCD決定,とものすごい勢いでメディアミックス攻勢をかけています。こりゃ,角川アニメ化までもくろんでいるな,という感じですが,それも納得の作品でした。いや,個人的にものすごく好みでした。面白かったです。

ジャンル的には,学園を舞台にした日常のミステリ。この前読んだばかりの気もしますがwとは言っても,ミステリと呼んで良いかは疑問ですが。一応,ヒントで謎は解けます。

メインキャラクターは,主人公の成田真一郎。同じく生徒会1年書記の佐々原三月。そして,幽霊文芸部員の仙波明希です。物語は,この3人の視点を入れ替えながら,一つの相談を解決していく,と言うスタイル。そして,本作では三つの相談を解決します。

まぁ,相談とその解決については,多少強引だなぁ,と思う点もありますがなかなか楽しめました。で,本作の魅力はそこではなくwとにかく,3人のトライアングルだと思いました。

主人公の成田真一郎は,とにかく人に関わろうとするお節介な奴。最初の相談では,真相が分かっていて,しかし相談者のことを考えて嘘を教えるようなお節介。正直,人間的には好きになれそうにないですが。ただ,自分の分を理解しながらも,それでも誰かが救われるなら,とあがく姿は,物語においては必要な資質ですし,この作品の中では有効に機能していたと思います。ただ,自分の周りにいたら。やっぱり迷惑だろうなぁw

仙波明希と佐々原三月は他人と少し違っていて,相手に理解してもらえないだろう,と考えているところは共通。ただ,それに対する対処の仕方のベクトルが違っています。仙波明希は,相手に迷惑をかけるから,と他人を拒絶し,佐々原三月は,他人を理解しようと距離を置きつつ関わろうとします。それ故に,親しい関係になってきているようです。

仙波明希は相手を遠ざけようとするので,毒舌だったりするのですが,この毒舌が微妙に好みだなぁ,と思いました。不快になる人もいそうですが。ただ,他人を拒絶しようとしている割には,相談にはちゃんと乗ってあげたりするところは良い奴だなぁ,と感じました。

佐々原三月は,一瞬「千愛ちゃん?」とも思いましたが。積極的になろうとしてやらかしちゃうところとかは,いかにもだなぁ,と感じました。まぁ,事が事だけあってさすがにあれを同情的に見ることはできませんでしたが。ただ,そうやって過去の自分を救ってくれた人にあこがれて,変わっていこうとする姿は良いなぁ,と思いました。

展開からして,今後はこの3人による恋の波乱が巻き起こりそうです。今のところ,真一郎の好意は拒絶され,三月の好意は気づいてもらえず,明希の好意はどこにも向いていなさそうです。さて,果たしてどの恋が結びつくのか,非常に楽しみなところです。

この3人の魅力に引き込まれ一気に読了することができました。途中で,理解のルビに「トレース」とあったり,やたら出てくる驚きの「ゑ」が気になりましたがwでも,先が気になって読めてしまった,という感じですね。

取り扱っている題材が題材だけに,派手さはありませんでしたが,読ませてくれる内容だったなぁ,と感じました。最近は,新人賞関係の作品を読むことが多かったですが,最近読んだ中でもピカイチくらい気に入りました。いかにもライトノベル,と言う読み心地だった影響が大きそうです。

応募作の受賞作であるにもかかわらず,加筆で2巻の引きがある,と言う構成になっていて,続きが出るのは確定のようですw『”菜々子さん”の戯曲』の作者が締め切り1ヶ月前倒された,と言う事なので,意外と早く出るかも知れませんね。続きで一体どう出るのか,楽しみです。
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