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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』/暁 佳奈 [KAエスマ文庫]

〈あらすじ〉


上巻

『自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)』その名が騒がれたのはもう随分前のこと。 オーランド博士が肉声の言葉を書き記す機械を作った。 当初は愛する妻のためだけに作られた機械だったが、いつしか世界に普及し、それを貸し出し提供する機関も出来た。 「お客様がお望みならどこでも駆けつけます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」 物語から飛び出してきたような格好の金髪碧眼の女は無機質な美しさのまま玲瓏な声でそう言った。 ≪第5回京都アニメーション大賞 初の大賞受賞作!≫ ■商品詳細 サイズ:文庫判(H148mm×W105mm) 印刷:表紙・巻頭イラスト・カラー/本文・モノクロ ページ数:口絵カラー・4ページ(うち三つ折2ページ)/本文モノクロ・348ページ 著者:暁 佳奈 イラスト:高瀬亜貴子 ISBNコード:ISBN 978-4-907064-43-3 発行元:京都アニメーション (C) 暁 佳奈/京都アニメーション


下巻

陸軍病院で“一人”目を覚ましたヴァイオレット。 大陸戦争で一命は取り留めたものの、白く滑らかな両腕は失われ、義手になっていた。 そんなヴァイオレットの元にやってきたのは彼女の後見人となったホッジンズ。 ホッジンズは軍を辞め、郵便社の事業を立ち上げようとしていた。 彼は親友との約束を守るため、また、ヴァイオレット自身に幸せになってもらうため、彼女に自動手記人形サービスの仕事を薦める。 「紹介しよう、ヴァイオレット・エヴァーガーデンだ」 ヴァイオレットは冷たい美しさを宿した相貌で、人形のようにお辞儀をした。


KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上巻

KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上巻

  • 作者: 暁 佳奈
  • 出版社/メーカー: 京都アニメーション
  • 発売日: 2015
  • メディア: 文庫
KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下巻

KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下巻

  • 作者:暁 佳奈
  • 出版社/メーカー: 京都アニメーション
  • メディア:文庫
感想は追記にて

〈感想〉


2018年1月期、京都アニメーションが送るテレビシリーズ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の原作になります。紹介文を読むと、初の京都アニメーション大賞 大賞作品なのですね。


私は、当然の如くアニメから入りました。1話をアニメで見て、その空気感の心地よさに原作を購入し、読んでしまいました。感想を一言で言うと、「すごく良かった」という感じです。


まず、なにがいいかというと、上下巻の2巻構成であること。ライトノベル業界、引っ張れるならとことん引っ張って行く傾向がある中、2巻で綺麗に完結する、というのは貴重であります。


なぜ2巻構成が良いか。それは、簡単に手に取れる、というところにつきます。確かに、たくさんシリーズが出ていると、アニメがヒットした場合、既刊購入で出版社うはうはなのは納得なのですが、やはり手が伸びにくくなるのも事実です。すごく面白い作品だったら一気に走れるのも事実ですが、巻数が長くなると、グダグダする作品があるのも事実なわけで。下手なのになると、「これ、作者が収集付けられなくなっているんじゃない?」なんて考えてしまう作品があるのも事実なわけなのですよ。何とはいいませんけど。個人的には、ライトノベルは10巻程度であって欲しいと願っています。


しかし、上下の2巻構成は、最初から2巻構成で考えているわけで、グダグダも起こりえません。上下巻なので、打ち切りと言う事もありません。すごく美しく、内容的にも細かく配慮できる構成ではないでしょうか。


さて、その『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ですが、彼女のオート・メモリーズ・ドールとしての活躍と、彼女の過去が描かれた上巻。戦争後に目覚めた彼女についてが描かれた下巻という構成になっています。


アニメでいうと、1話からの展開が下巻のはじめに当たります。その中で、1巻のラスト部分が挿入されている、という感じでしょうか。このまま行くと、中盤は上巻前半や下巻中盤+オリジナルのヴァイオレット・エヴァーガーデンのオート・メモリーズ・ドールとしての活躍が描かれ、ラストに向かって下巻の最後の物語が描かれる、という感じになりそうです。


ライトノベルとして見ると、書かれている文が一つ一つ優しく、心地よいと感じました。ライトノベルでお約束になりがちなちょっとエッチなシーンがないのも好印象です。これは、レーベルがKAエスマ文庫であることが大きい気がします。


また、物語の展開も素晴らしいです。彼女のオート・メモリーズ・ドールとしての活躍が描かれ、彼女がどういう人となりなのだろう、と興味をもったところで描かれるのは、彼女の壮絶な過去。アニメを観ている方にはもうご存じであるでしょうが。


壮絶な別れを経験し、そこからの自立が描かれる下巻。ここまで来る頃には、読者はヴァイオレット・エヴァーガーデンに感情移入し、ある願いを抱くのではないでしょうか。何より、そこら辺は曖昧なままですし。そして、下巻ラストの展開。そのラストのなんと心地よいことでしょうか。


サブタイトルも、上巻は「〜と自動手記人形」といった感じのものが続き(今、知人に貸しているため手元に上巻がありません。戻ってきたら、書こうと思います)

下巻は

「少佐と彼のすべて」

「少女兵と彼女のすべて」

「花婿と自動手記人形」

「半神と自動手記人形」

「飛行手紙と自動手記人形 前編」

「飛行手紙と自動手記人形 後編」


と来て、最後が


「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」


これが素晴らしい。これまでの歩みが、彼女が彼女になるための物語であり、ラストで彼女が一人の少女となったことを表現しています。


そして、少佐の何よりの願いであるわけで、それ故にラストが美しいのだと思います。


決して派手さはありません。しかし、大変素晴らしい作品です。


「もし、この作品が他のライトノベルの賞に出されていたら、どうなっていただろうか?」そんなことを考えてしまいます。そして、その場合、確実に「大賞」などを受賞できなかったのではないかと想像されます。ガガガ文庫あたりなら、とも考えますが、現実的には難しいでしょう。


そう考えると、この作品を正当に評価し、初の「大賞」を授与し、さらにアニメ化までした「京都アニメーション」にはただ平伏せざるを得ません。今まであまり触れることのなかったKAエスマ文庫ですが、このような作品をリリースしてくれるなら、チェックして作品を読んでみようかな。そう考えさせてくれる作品でした。


大変素晴らしい作品で、個人的には近年読んだ中でもベスト3には入る内容でした。惜しむらくは、KAエスマ文庫であるために、手に入れるのが少し大変、と言うことでしょうか。感想を書いている2018年2月5日現在、上巻はプレ値が付いているようですし。


しかし、苦労してでも手に入れる価値がある作品であると断言できます。下巻まで読了したあと、素晴らしい読後感を得られるでしょう。



最後に、謝辞を。この作品、今ではすっかり楽しみですが、おすすめしてもらっていなかったら、見なかったと予想できます。そして、それ故に、こんな素晴らしいラノベに出会えなかったことでしょう。この出会いは、すべて師匠であるモチヅキナノさんのおかげです。本当にありがとうございました。


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